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ソニービズネットワークス開発本部本部長が語る。最新技術を駆使したクラウド事業と顧客成長の可能性

「AWSの運用をもっと簡単に、もっと便利に」をコンセプトに独自開発し、運用管理やジョブ自動実行に必要な機能を提供するクラウドポータルや、最先端AWSソリューションを展開する「マネージドクラウド」、簡単操作でラクに使えることを追求し勤怠管理を効率化するSaaS「AKASHI」を提供するソニービズネットワークス。
「ソニーの技術アセットと最新の技術を活用して新しい価値を生み出し、お客様に提供する」。そんなやりがいについて語るのは、開発本部本部長の平山です。ソニービズネットワークスのサービスやクラウド市場の動向に対し、開発組織としてどうアプローチしていくか、平山に話を聞きました。

「ゼロからものづくりがしたい」大手通信会社からソニービズネットワークスへ

—はじめに、ソニービズネットワークスに入社するまでの経緯を教えてください。

前職は大手通信会社で3年ほど、サーバーエンジニアとして働いていました。当時は公共部門担当でお客様向けにLINUX(当時はUNIX)やWindowsサーバーの受託構築作業をしていました。その仕事を続けるうちに、ゼロから自社サービスを作ってみたいと思うようになったんです。日本国内ではソニーが自社でハードもソフトも作っており、また当時のソニーはネットに関わるあらゆる事業を統括するNACSという新組織が発足され、そこの部署でサービス開発に携わりたいと思い、ソニーに入社しました。

ソニーに入社するとすぐ、ソニーのNACS組織の中で法人向けのブロードバンド・ソリューション&サービスを提供するbit-drive事業部に配属され、そこでネットワークエンジニアとして顧客への提案・導入だけでなく、自社サービス開発に携わりました。
その後、bit-driveは、VPNサービスやリモートアクセスサービス、仮想プライベートクラウドサービスなど法人向け自社サービスを開発・事業展開し、2019年8月からソニービズネットワークスに事業統合されて、今に至ります。

—現在は開発本部 本部長として、どんな役割を担っていますか?

ソニービズネットワークスでは、クラウド型勤怠管理システム「AKASHI」や、AWS運用を自動化する「マネージドクラウド with AWS」、またNURO閉域サービスを始めとした閉域網サービスやCiscoルーターを遠隔管理できるマネージドVPNサービスといった法人向けサービスを自社開発し提供しています。私は開発本部 本部長として、これらソニービズネットワークスのサービス開発とエンジニアリング事業の責任者を務めています。

また、AKASHIやマネージドクラウドのサービス基盤やアプリケーション開発業務は、親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズと連携しており、私はソニーネットワークコミュニケーションズでも法人向けサービスのソフトウェア開発のマネージャーを兼務しています。

自動化ツールで顧客のAWS運用をサポート、大幅なコスト削減とビジネススピード向上に貢献する

—お客様からのご相談内容にはどういったものが多いですか?

ソニービズネットワークスは、『NURO Biz(ニューロ・ビズ)』のサービスブランドで法人向けICTソリューションやNUROを始めとした通信サービスを提供する会社で、NURO回線営業からの案件リードが多数を占めるため、やはりネットワーク切り替えに関するご相談は多く寄せられます。

企業にとってネットワークはICTツールの中でも必須の通信インフラで、提供して終わりではなく、安定して提供し続ける必要があります。用途としても企業のインターネット接続だけではなく、通常社内業務や事業用途などの社内通信のための閉域・VPNサービスの要望、最近では企業や社員のテレワーク環境へのご相談など、いろいろ要望・課題に対して対応しなければなりません。

勿論、弊社顧客は中小企業が多いため、ネットワーク以外の要望や課題へのご相談も多くあります。特に中小企業においては社内人員のリソースに限りがあることも多く、弊社からAKASHIのような簡単に導入や運用ができるSaaS導入提案や、運用が自動化できるマネージドクラウド with AWS導入により、運用負荷軽減が図っていく提案をしていくことで、多くの中小企業の皆さまの事業運営の支援をさせていただいております。

—ソニービズネットワークスのソリューションでお客様の課題を解決した実際の事例にはどんなものがありますか?

昔からソリューション提供させていただいてる事例だと、マネージドVPNサービスの事例があります。通常、VPNや閉域サービスを利用する場合、お客様側で回線の保守運用作業やルーターの運用作業が必要でした。その場合、お客様にてCiscoルーターなどのコンフィグを触ってファイアウォールの設定をしないといけないのですが、ソニービズネットワークスが提供するマネージドVPNを使っていただくことで、回線とルーターの保守一元や切り分けまで提供するだけでなく、マネージメントツールにて全拠点のルーターをリモートでWEBアプリにて一括設定変更できるなど、お客様の運用負担軽減に大きく貢献してきました。
 
また、クラウド事業でもさまざまな課題を解決しています。
よくある事例だとオンプレのサーバーからクラウドに移行することで、ハードを調達する必要がないので初期導入に関わるコストを削減できたり、ハードの代わりに導入するAWSについては顧客でのインフラに関わるメンテナンスが不要になり運用コストも削減できたりします。

上記のマネージドVPNサービスのマネージメントツールと同様に、マネージドクラウド with AWSにおいても運用管理やジョブ自動実行に必要な機能を提供するクラウドポータルを提供し、お客様のAWS利用の敷居を下げ、運用負荷軽減にも貢献しています。

他にも、お客様が新規事業の立ち上げに関して、弊社からクラウドインフラ利用や活用について支援することで、早期にお客様の新規事業に必要なインフラやアセットを用意でき、お客様のビジネススピードを上げることにも貢献できます。
ハードウェアの調達が不要なので、要件が決まってさえいれば、クラウド環境を立ち上げ、アプリを載せてリリースするまで、極端にいえば1週間くらいで提供することも可能です。

—さまざまな点でお客様のビジネスにインパクトを与えられそうですね。

そうですね。クラウド利用と弊社のサービス・ソリューションを提供することで、コスト削減・運用軽減・新事業立上げのビジネススピード向上など、お客様のビジネスへのインパクトは大きいかと思います。
 
またクラウドソリューション事業は我々にとっても、非常にメリットが大きいです。従来、お客様からのご相談に対し、ハード費用や調達工数、構築工数などを個別見積することで提案する必要があったため、どうしても見積も高くなりがちでした。また作業に1カ月かかる場合、その期間の人員(1人月)の工数を確保する必要があるので、人員の数以上にビジネスをスケールすることも難しかったのです。
クラウドソリューションに変わったことによって、例えば、お客様先に訪問してハードウェアをキッティング・構築するという作業が省けたり、導入作業をテンプレート化してWEB-GUI上で簡単に導入・デプロイできたりと、SEの工数も大幅に短縮できるようになりました。

結果として自社ビジネスのスケールを実現するだけでなく、新しいソリューションを創出したり、お客様ビジネスに直接還元できる時間に使えるようになったのは大きい変化だったかと思います。

加速するクラウド市場。多様化する顧客ニーズに応え、AIなど最先端技術で革新的ソリューションを提供する

—クラウド領域の市場の今後の可能性について聞かせてください。

クラウド市場の今後の継続的な伸長は勿論のこと、特に近年では、生成AIの技術が進化しているので、今後は生成AIを活用した新しいチャレンジが、AWSやAzure、GoogleCloudなどさまざまなクラウド上で成り立っていくと考えられます。
弊社としても、社内業務アプリ及びサービス基盤に対しての生成AI連携検討を複数プロジェクトで動かしており、早く今後の自社業務や自社ビジネスに活かしてお客様に還元できるようにしていきたいです。

—そうした中で、今後はどういったお客様の課題や要望が増えていくと思いますか?

これまでの企業のサービス開発については会社や事業部の方針やトップダウンで物事が進むことが多かったと思うのですが、最近では事業部や社内のメンバーから「こんなことがしたい」という声が挙がり、事業部やプロジェクト単位でもボトムアップで新規サービスのサービス基盤開発検討に着手するケースがより増えてくると思っています。

そのような課題や要望が増えてくると、細かい要望に対応する必要も出てくるため、よりお客様の要望に細かく対応できる幅広い技術力やサービス開発の体制作り、そして他社協業も考慮したソリューションの提供が一層重要になってくると考えています。

—AWSの運用を自動化するマネージドサービスは他社でも多くある中で、他社と比較してどのような強みがありますか?

ITの専門知識がそれほど豊富でない方でも、AWS運用を自動化できる点ですね。昔と比べると、AWSが提供するマネージドコンソール上でも自動化設定できる機能が増えてきていますが、まだ多くの機能が自動化するにはお客様側でのAPI開発が必要となります。我々が提供するクラウドポータルで用意している標準化された自動化機能についてはお客様側での開発は一切不要で、またお客様ごとの細かい自動化処理を個別に定義するのも簡単に実現できます。

標準化された機能の例でいえば、AWSは従量課金制なので、夜間のインスタンスを停止してコスト削減ができるのですが、それを自動で落とすための設定を開発不要で行ったり、リソースが立ち上がらない場合に別のリソースを自動で立ち上げたりといったことが、クラウドポータル上のUI設定1つで簡単に実現できます。
 
同じような機能を提供しているサービスは他にもありますが、クラウドポータルと同じ機能レベルでAWSの運用管理・自動化を実現できるマネージドサービスを提供しているところはないと思います。またクラウドポータルによるAWS運用自動化機能以外にも、AWS利用に関わるネットワークからクラウド環境まで自社で一貫して導入及びサポートできる点も、他社と差異化できている点だと思っています。

また我々は2022年にAWSセキュリティコンピテンシーの認定を取得し、2023年にはAWSの内製化支援パートナーに認定されました。
もともと当社が提供しているクラウドポータルはお客様が自社で運用を行うことを支援するために作った内製化支援ツールですが、そこにセキュリティに関するソリューションを追加しました。今後は、セキュリティに関する高い技術力を活用できるAWSパートナーとしてお客様の内製化をより積極的に提案・推進していきたいと思います。

—AWSのマネージドサービスは2015年に開始されましたが、このサービスを広めていくうえでどんな難しさがありましたか?

2015年にマネージドクラウドサービスの提供を開始した当時は、クラウドポータルのようなAWS運用自動化ツール自体かなり目新しいものでした。
サービスを広めるためにWEBマーケティングやAWS主催イベント・IT関連イベントへの出展だけでなく、自社セミナーも積極的に実施してきました。
結果として、リリース後数年で導入ユーザ数も順調に増加し、他社パートナーの方にもクラウドポータルが注目されるようになりました。
私たちの当初の仮説通り、AWSを導入してみたいと思うものの、運用に不安がある中小企業のお客様にクラウドポータルを提案させていただき、安心感を持ってAWS導入・運用していただけたと思っています。

ただ昨今においては市場の変化により2つ感じていることがあります。
1つが、内製化支援や運用自動化を訴求するAWSパートナーの競合企業が非常に増えてきていること。もう1つが、先ほども言及したお客様がAWSでやりたいことが多様化している点ですね。
自社の領域を拡張する観点においても、ネットワークや運用自動化を強みにしたAWS利用を訴求するだけでなく、生成AI活用やIoT利用などお客様の新規事業立ち上げのための個別のAWS導入要望に対応できるようソリューションやサービスを提供し続けなければならないと思っています。

—そうした点で、新しく取り組んでいることはありますか?

我々はこれまで、セキュリティ系やIoTのソリューションパッケージのリリース、ソニーAIサービス(PredictionOneやNeural Network Consoleなど)とAWS連携のリリース、また直近ではAWS BedRockによる生成AIを活用したセキュリティやFAQ Botソリューションなどをリリースしました。
こうした新しい技術を使ったソリューションを創出し、提供し続けることで、今後の幅広いニーズに対応し、かつ低コストでエンドユーザーに提供することを推進していきたいと思います。

生成AIをはじめ、新しい技術を使って先進的なソリューションを作っていける点は、エンジニアにとって魅力だと思いますし、お客様のための取り組みがエンジニアのやりたいことに直結しているので、やりがいも感じられると思います。
今後もこうした新しい技術を応用活用したソリューションやサービスを開発し先進事例を作っていければと考えています。

ソニーグループの技術資源を活用し、自由な環境でサービスを創造する「技術好き」を求む

—今後は新しい技術を使ったソリューションも展開していきたいとのことですが、どんな方に参画いただきたいと考えていますか?

まず第一に、【技術が好きかどうか】。
技術が好きな人は自ら進んで手を動かすので、どんどんスキルアップし、結果としてソリューション創出のスピードアップや、お客様への最先端な技術提供・価値提供につながっていきます。ですので、技術が好きで、技術力の向上に対して努力できるかどうかがまず基本にあると思っています。

ソニービズネットワークスのメンバーを見ても、やはり技術好きな人が多いです。ただ一人ひとりを見ると好きな技術が違う点も面白いですね。
クラウドエンジニアの中でも、ネットワークの技術に強い興味を持っている人もいれば、AWSのサーバーレスのマネージドサービスの開発に興味を持っている人もいます。他にも、IoTの技術に興味がある人など、それぞれ方向性は異なるのですが、「技術が好き」という点はみんな共通していますね。

—「技術好き」は共通しているとのことですが、皆さんが共通して持っているスキルセットはありますか?

ネットワークの知識とサーバーのベースインフラについては、入社してから身につけてほしいとは思っています。なぜなら、AWSのマネージドサービスもサーバー&ネットワークインフラで作られているもので、技術仕様や背景を知ることで、何かあったときのトラブル対応も早急に対応できるため、まずは身につけてほしい技術です。
またインフラエンジニアではなく、開発エンジニアであってもフルスタックの知識が求められAWSのサービス基盤を扱うことが増えてきているので、共通して身につけておいてほしいスキルセットです。

—どんな方がソニービズネットワークスのカルチャーにフィットしそうですか?

エンジニアのメンバーは20代後半から30代前半のメンバーが中心で、技術が好きなメンバーが多いです。また、よくメンバーには、常に「変化・挑戦」を意識して動こうと伝えています。会社の文化としてもスピード感を持って新しいチャレンジに取り組むことに積極的で、組織として支援していく体制があるので、自分の意見をしっかりと持ち、主体的にチャレンジを推進していける方は非常にフィットすると思います。

またソニービズネットワークスのエンジニアは、ソニーグループの中でも珍しい環境にいると思っています。大きなグループ会社の中でも比較的に若いメンバーが多くベンチャー魂もあるため、ジョインしたばかりの方でも自由な動きが取りやすい環境で、会社文化としてもそれを望んでます。そのような中でもソニーグループの研究開発によって生まれたソニーの技術アセットを使ってサービスを作ること経験もできたりと、大企業とベンチャー企業の両方の良さを活かすことができる環境が用意されてると思ってます。

当社のように、最先端のAWS技術を扱うソリューション提供しつつ、自分たちで独自の自社サービスもゼロから作り出せる会社はそう多くはないと思います。技術をもってサービスやソリューションを創り出してるエンジニア一人ひとりが主役な会社です。ぜひ「最先端の技術を活かして、受託案件の構築や開発だけでなく、自社サービスを創ってみたい」「自分たちで自由にサービスを作り、世の中を変えていきたい」という方からのご応募をお待ちしています。

(この記事は2024年8月時点の内容です。)