開発組織と協業し「ITの力で日本の中堅・中小企業の生産性を向上させる」営業本部の信念
「世の中が『モノからコト』へシフトする中、営業組織に求められるのは『お客様の御用聞き』ではなく、顧客の事業課題を捉え、解決策を検討し、提案する力です」
ソリューション営業本部 本部長の工藤はこれからの営業組織について、そう考えを話します。顧客のニーズにきめ細かく対応するために肝となるのは、開発組織との高次元での連携。そのために営業パーソンとして必要な要素や、営業組織のカルチャー、見据える将来像について、聞きました。
「通信業界での経験を活かし、世の中を変える仕事がしたい」ソニービズネットワークス参画の経緯
——はじめに、工藤さんがソニービズネットワークスに参画するまでの経緯を教えてください。
私は前職、NTTグループに在籍していました。当時は電話回線を介してインターネットを利用する時代。そこに光回線が登場し、徐々にインフラとして広げていこうというタイミングでした。この仕事に携わるうち、光回線そのものを引くのではなく、光回線を使って世の中を変える仕事をしてみたいと思うようになったのです。
そのとき光り輝いて見えていたのがソニーでした。
ソニーはコンテンツを持っている。そしてハードウェアを作る能力もある。このハードウェアをネットワークにつなげることで、世の中を変える何かができるのではないかと思いました。
当時、ソニーは個人向けの通信事業を展開していましたが、さらに法人向けに通信事業を始めたタイミングもあり、面白そうと感じ入社を決めました。そこからグループ会社含め約20年、中堅・中小企業の情報システム部門をターゲットにソリューション事業を展開していましたが、なかなか伸びきれずにいました。
大きな要因は、法人顧客への接点が圧倒的に少なかったことです。
ソニーが法人向けにネットワーク事業を手がけていることが、世の中にあまり認知されていなかったことが背景にあります。長年、「より多くの顧客接点を補完できれば、ソリューション事業はもっと伸びるのではないか」と考えていたところ、NUROを核に圧倒的な顧客接点を持つソニービズネットワークスへの事業統合の話が経営陣からあり、心躍ったのを今でも覚えています。このような経緯で2019年に法人ソリューション事業がソニービズネットワークスに統合され、私自身も参画することとなりました。
中堅・中小企業の課題解決に向けた営業戦略とソリューション提案
——ソリューション営業本部が組織として掲げるビジョンについて教えてください。
私が営業メンバーに発信しているのは、「日本の中堅・中小企業を元気にしよう」というメッセージです。日本の中堅・中小企業は大企業と比べて生産性が低いと言われていますが、私はその要因として「ITを利用しきれていないこと」が挙げられると思っています。営業組織として、ITの力で中堅・中小企業の生産効率の向上に貢献したいというのが私の想いです。
——工藤さんはソリューション事業を伸ばしたいという思いでソニービズネットワークスに参画したわけですが、この5年間、本部長として実際にどのような営業戦略を立て、実行してきたのでしょうか。
まず、ターゲットは一貫して中堅・中小企業の情報システム部門に置きました。そこに向けたマネージド型のパッケージ商材を提供し、接点を作ってきました。
ソリューション事業という意味ではもう1つ、お客様に商品を押し付けるのではなく、悩みや課題をしっかりと聞き出して、解決に最適な商材を提案することを心がけてきました。その中核となるのがAWSです。
世の中の流れが、サーバーなどのリソースを自社保有する形態から、外部のリソースを利用して料金を支払う形態に変化しました。しかしながら、中堅・中小企業の情報システム部門は、多忙でトレンドを追うことすら困難な状況です。そうした方々に対して現在のトレンドを詳しく伝え、かつお客様が抱えている課題の解決にいかにAWSが役立つかを訴求することを考え、開発組織と歩調を合わせて取り組んできました。
営業・開発一丸となって取り組んだ結果、この5年間で売上は1.5倍になりました。
——日々の営業活動では、どのような信念を持ってお客様と向き合っていますか?
プロダクトを作った人の想いを薄めることなくお客様に伝えたい、と思っています。なぜなら、私がソニーに入社して驚いたのは、「この人はこんな想いを込めて商品を作ったんだ!」という、「人の想いの強さ」だったからです。想いの濃度をそのままお客様に伝えることで、「ソニーらしいね」と喜んでいただけたり、顧客ロイヤリティの向上につながったりしています。
あとは、私自身、昔も今も「ITは心底面白い」と思っているので、そのITの力でお客様の業務を少しでも楽にできればと考えています。そのためにお客様のニーズに応じて、実業務でAWSをどう活かすか、イメージしやすいよう提案活動することを心がけています。
例えばSEと連携し、マネージドポータルのデモンストレーションを行うなどして、お客様の環境でどんな機能が使えて、それを使うとどんなメリットがあるかを分かりやすく伝えるようにしています。
ITは導入後の成果が分かりやすく、お客様からダイレクトな反応が得られます。「業務が変わった」「コストが削減できた」といったフィードバックを直接いただけると、日本の中堅・中小企業を元気にするというビジョンを実践できていると実感できますし、そうした声をいただけるからこそ、この仕事が続けられるのだなと感じます。
営業とSEの協業を支えるカルチャーと要因
——工藤さんが感じる、ソニービズネットワークスの営業組織の特色や強みを教えてください。
営業組織と開発組織が非常に密接関係であるという点だと思います。
お客様のニーズに応えるためには、ここが肝です。
営業がお客様の課題を引き出すだけでは不十分で、SEも一緒になって課題をどう解決するか考え、実現する。この流れがもっとも大切なことだと認識しているので、営業組織としてお客様から課題を引き出すための教育を充実させ、かつ営業とSEがお互いに相談し合える関係性を維持していきたいです。
——営業組織と開発組織との協業は、意図して作り上げたスタイルなのでしょうか。それとも、自然にできあがったものなのでしょうか。
商材がネットワークからAWSになったことで、より強まったというのが正解ですね。例えばネットワークは課題と解決策が分かりやすいことが多いんです。「回線が遅い→回線種類を替えたら通信速度が速くなった」というような。つまり「モノ」の要素が強いんですね
一方AWS事業はまず解決したい課題=「コト」があるんです。AWSはあくまで「ツール」であって、課題を解決するには解決図を描いて、実現に向けてツールを使いこなす必要があります。ツールの種類も多くて、その中から課題解決に最適なものを選んで使うわけですが、お客様ご自身はどれを選べばいいか分からない。
ここで大事なのは、解決したい課題=「コト」を忘れないことです。営業がお客様の代弁者となって解決したい課題をSEに伝え、どう部品を組み合わせればその課題が解決できるか、SEとともに提案をするのです。
このようにモノ売りではなくコト売りであるソリューション事業においては、営業とSEの協業が欠かせないのです。
この点、ソニービズネットワークスは、「お客様のために」という視点で組織間の壁なく議論し合える環境があると感じます。
——営業組織と開発組織の協業を実現できているのは、どういったところに要因があると思いますか?
お互いオープンに知識を共有する文化ですかね。ノウハウを自分の中だけにため込むのではなく、「教えてください」と発信した人に対して惜しみなく知識を提供する。話しているうちに「私だったらこうする」というふうに、いろいろな人を巻き込んだ議論につながっていきます。こうしたオープンな文化が連携の強化に一役買っていると思います。
もう1つ、チャレンジした結果の失敗を責めないという、ソニーのグループ全体にある文化が大きいのではないかと思います。入社当初、チャレンジが失敗に終わったことを上司に報告すると、「OK。そこから得た学びを活かして、次は何にチャレンジする?」と聞かれて驚きました。周りを見ると、それが当たり前に組織に根付いていたのです。失敗を冷静に受け止めて、改善ポイントを把握し、次のチャレンジを促す。そういう文化が、組織間の連携を成り立たせていると感じます。
こうした文化は私自身とても気に入っていますし、この先も維持していきたいと思っています。そのために、メンバーが失敗の報告をしてくれたときこそ、「知らせてくれてありがとう」と伝えるようにしています。
学習と実践で営業力を強化し、SEと高次元での連携で顧客課題に応える組織作り
——今後、どういった組織を目指していますか?
まず、営業組織として「ITを活用し、お客様の業務をいかに効率化していくか」という軸はぶらしません。ただ、それを実現するための要件は、以前とは大きく変わってきています。
例えば先ほど、開発者の想いを薄めずお客様に届ける話をしましたが、これからの時代、それだけでは不十分になるでしょう。なぜなら、世の中が「モノからコトへ」シフトしているからです。
すでに用意されたプロダクトをそのままお客様の環境に当てはめるレディメイドな考え方ではなく、お客様の課題一つひとつに対して最適なサービスを当てはめるオーダーメイドな提案をする。これが営業組織に求めることです。
そのためには、お客様の業務に対する知識はもちろん、お客様への提案やSEと交渉するための技術的知識を同時に身に付けていく必要があります。
——それはハードルの高いチャレンジになりそうですね。
そうですね。SEと高いレベルで連携するためには、技術知識を勉強して自らSEに働きかけていくことが重要だと思っています。困難なチャレンジですが、これから先、顧客課題はさらに多様化していくので、避けては通れない道だと覚悟を決めてやり抜く意思が必要です。
ただ、こうした大きな壁に一人で立ち向かう必要はありません。組織として互いに励まし合い、皆で共に作り上げることを意識しています。例えば、土台となる技術の知識は、オンラインの学習ツールなどを導入して学ぶ環境を整えています。
もう1つ、実務に関しては経験を積むことだと思っていますので、お客様の課題解決にとにかく向き合う。実案件以上に人を育ててくれるものはありません。
以前は、ITサービスはSEにしか構築できませんでした。しかしAWSは要素技術なので、どのサービスを組み合わせるかは営業でも考えられます。社内研修や学習ツールはもちろん、実案件で経験値を上げるという両輪で、営業組織全体のレベルを底上げしていきたいですね。
——SEとの高いレベルでの連携というお話がありましたが、今いるメンバーがそれを実現できているのはなぜなのでしょうか?
ここ数年間で採用したメンバーの中には、法人営業こそ経験はあるものの、ソリューション営業未経験、かつAWSにはこれまで関わったことがない社員が何人もいます。ですが近年、その中から次々とトップの営業成績を挙げる人が出てきています。
それはSEとの連携も含め、ソニーのグループ全体の文化でもあるオープンな環境があって、かつお客様の業務や技術について自学自習してきた結果だと思っています。
正直、育成の仕組みだけを見ると、他社に抜きん出て特別なことをしているわけではないと思います。こうした仕組みでカバーできない部分を、文化で補っていると感じていますね。多くの営業活動をこなし、PDCAを回すことも成長を促す要因ではありますが、それには限界もあります。
SEとの連携や営業組織内でオープンに議論し合うことで気づきを得て、そこで自分に足りていない知識を補っていく。伸びているメンバーは、このサイクルがうまく回っていると思います。
——例えばクラウド市場でのポジショニングや営業組織としての成長戦略などを通して、ソニービズネットワークスそのものをどのように導いていきたいと考えているか、聞かせてください。
ソニービズネットワークスは、クラウド市場の中で非常に良い位置を占めています。なぜなら、ソニーのグループ各社のアセットを法人向けに提供できるからです。これは他社にはないアドバンテージだと思っています。
私たちソニービズネットワークスは、情報システム分野に限らず、今ホットなAIの技術も含め、情報システムに隣接する複数のサービスを展開したいと考えています。そうしたとき、ソニーのグループ各社の技術的バックボーンを活用できるのは大きな強みです。
特にソリューション事業は、サービスを複数組み合わせて提供することで独自性を発揮できます。それが結果的にお客様にとってのメリットになりますし、同時にここで働く私たちにとっても面白さややりがいにつながるでしょう。
——今、独自性の話がでましたが、他社との差異化、競合優位性を築いていくために、営業組織としてどんなことに取り組んでいこうと考えていますか?
開発組織がサービスによって差異化を図ろうとしているので、営業組織はその差異化ポイントをお客様に認識していただけるよう、しっかりと仲介することが役割だと思っています。
お客様の課題を聞き出し、その課題を解消する。お客様にとって唯一無二の存在になることがミッションであり、かつ営業活動の面白さだと思っています。
営業組織の現在の課題と求める人材像
「オープンマインド・やり抜く力・学ぶ意欲」
——現在工藤さんが感じている、営業組織の課題を聞かせてください。
「モノからコト」へ変化していく中で、ただサービスを売るのではなく、お客様が抱える課題に対し、営業担当者自身が解決の道筋を示すことが求められるようになっている。この変化への対応が一番の課題です。
「御用聞き」のような営業の仕方ではなく、自ら既存のお客様が抱えている事業課題を捉えにいき、解決策を考え、こちらから提供していく。こうした取り組みを繰り返すことで、課題解決策のアイディアや発想力を養っていかなければなりません。
これはかなり難易度が高いですね。本来ならコンサルタントが対応するような領域まで踏み込まなければいけない。社内のメンバーだけでなく、場合によっては社外のパートナーとも組んで、顧客と効果的な接点を持って推進していく必要があります。
ハードルは高いですが、だからこその面白さもありますね。なぜなら、一つひとつのプロジェクトで自分が果たす役割が大きいからです。お客様から直接感謝されたり、業務が大きく改善していることが実感できたりするのは、営業の醍醐味ですから。
——営業の在り方がモノからコトへ変化していく中で、今後入社される方には何を求めていますか?
オープンかつ素直であること、やり抜くこと、先進技術について学び続けること。この3つを求めています。そのうえで、お客様のために何ができるかを主体的に考え、行動に移せる人と一緒に働きたいです。
候補者の中には、「技術に関する知識がなければ通用しないのではないか」と考えている人もいると思いますが、技術の知識はむしろ、後天的に身に付けられるものだと思っています。
ソニービズネットワークスには、こちらから求めれば周りがしっかり応えてくれる環境があります。分からないこと、知りたいことを積極的に質問すれば皆で一緒に考えますし、「この仕事がしたい」と手を挙げれば任せてもらえますし、バックアップもしてもらえます。不安に思うことがあっても周りに相談すれば、柔軟に対応してもらえる組織ですので、まずは飛び込んでみてほしいと思います。
私はITに大きな可能性を感じています。また、ソリューション事業は社会に貢献できる良い仕事だと思うし、人生をかける意義のあるものだと思っています。ソニービズネットワークスはNUROをはじめとする強いリカーリングビジネス※の土台があり、ソニーのグループ各社のアセットを利用できるなど、これからまだまだ可能性を広げられる会社だと思っています。
こうしたバックボーンを持ちながらソリューション事業に取り組めるソニービズネットワークスは、希有な存在です。
我こそはと思う方からのご応募をお待ちしています。
(所属・役職はインタビュー時点の内容です。)
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